いよいよYahoo!が動いた。


Yahoo!モバイルが本格的にロボット検索に対応したことで、

大きくモバイル検索に対する風向きが変わろうとしている。


1.ユーザーの検索に対するニーズが高まる

従来の検索窓が「無意味な長物」的な意味合いから少しずつ検索に対する導線へと変化する。

2.検索の精度が問われる時代がやってくる

検索エンジンはモバイル環境下における検索結果の最適化を本気で考えなければ

ならない時代がくる。検索結果の精度はPCとモバイルでは180度違う。

3.検索結果のパフォーマンスの競争時代がやってくる

ケータイSEOと、ケータイペイドリスティングのマーケットが登場する。

4.検索エンジンのブランド競争が起こる。

従来型のリンクtoリンクでは新しいマーケットが創造できないのではないか、

確実な収益性が見込めることを当て込んだ大規模な広告・ブランディング活動が起こっていくだろう。(※)


これに対して考えなければならない環境変数は、

・キャリアの技術的動向、プラットフォーム開示・開放状況の進展

・フルフルラウザーの利用動向(本当に使われるのか、使われずに終わるのか)

・ケータイ向けサイトの絶対数がどこまで伸びるのか、ケータイ向けウェブページの増殖スピード

・モバイルブラウザーの表示・表現に関する性能

・クライアント先の動向

・公式メニューの掲載順位の商用化のタイミング

(どこかの時点で公式メニューの順位・掲載自体が商用化されることだろう)


どこまで先を読むべきなのか、先を読みすぎないようにするには

どうするのかなど、考えなければならない点は多い。検索エンジンは、導入元

導入先(今後はそもそも検索エンジン自体を検索連動広告のレベニューシェアだけの

容易な理由で導入できるほど、生易しい時代は終わることだろう、導入に際してもっと

コストがかかってくる、それぐらい検索エンジンの運営にコストがかかるようになる)

含めて、今後は寡頭競争になっていくことは避けられず、競争力ある経営資源の確保が

今ここで問われようとしている。ここからがいよいよ競争の始まりだ。



今後検索エンジンと呼べるレベルは例えば「ページ検索なら1000万URL以上」の

ように最初から高いパードルが求められるようになるようになる。

検索連動広告も、ASP的に検索窓を張って検索クエリ数を増やしても、利用者の質が

抜本的にコントロールできないし、結果として安心できるメディアに寡占的にクライアントが

集中するようになる。つまりは検索サービスとして使えるサービスと使えないサービスの

二極化が進展するだろう。

そして何より携帯業界で猛威を振るっていた総合型ランキングサイトがまもなく弱体化する。

これはほぼ間違いない。(特に※の部分のスピードによる)


ブランドと、技術開発力とメディアとしての検索エンジンの運営能力のトライアングルが

ない勢力から脱落していくことになるのだろう。レースは果てしなく遠い。

早くIPOしておかないとレースに脱落する可能性はとてつもなく高い。




主なプレイヤー・勢力をリスティングプレイヤーごとにまとめてみた。

主観が大変色濃く入っているので、詳細については各自調べてみてください。



1.オーバーチュア勢力

【メディア】

Yahoo!モバイル、MSNモバイル

【特徴】

何よりY!のメディアパワー。検索に対するフリークエンシー、バラエティー

豊かな利用者層が何より魅力。PCとケータイの双方を使う勢力などが多そう。

今後Y!メール・Y!オークションなどの文脈連動広告などのマーケットのほうが

潜在性が高そう。


2.ジェイリスティング勢力

【メディア】

Livedoor、froute(当社)、BIGLOBE、nifty、excite

【特徴】

メディアの幅広さが最大の特徴。3キャリアに対して満遍なくリーチできる。

ケータイヘビーユーザーが中心か。メディアの選別が厳しいので(大手にしか

配信されないので、個人サイトなどではでない)検索結果に確実にリーチできる。


3.サーチテリア勢力

【メディア】

OH!NEW Infoseek その他多数勝手サイト媒体

【特徴】

老舗。在庫数を補うために検索エンジン以外にも多数配信されていて、

検索エンジンマーケットの在庫が少ない現時点では比較的在庫数が多い。

今後検索エンジン時代がやってくる(としたとき)の動向が注目される。


4.CAM勢力

【メディア】

excite cammy スタービーチ

【特徴】

メディアとしての存在感はあまりないが、クライアント数の幅広さ、

勝手サイトの最大勢力、スタービーチを押さえているなど実は在庫数がかなり多い。

在庫数も売上もトータル感として全体がある程度まとまっている。

googleが参入していない中では、個人媒体にも導入できるなど、少ないメディアを

ネットワーク化した巨大なネットワークとしての存在感は今後も続いていくだろう。


5.goo勢力

【メディア】

gooモバイル、i-mode公式検索(?)

【特徴】

gooはどっかのモバイルポータルを買収するか、i-modeオフィシャルに入れないと

やや厳しいような気がしています。ただサービスとしては着実に成長しているので

新規参入キャリアに対する提案とか、強そうですね。


6.CROOZ!勢力

【メディア】

CROOZ! ガールズウォーカー

【特徴】

着うた検索・画像検索など、ケータイヘビーユーザーに特化した形でのニーズを

満たしながら急激なメディア成長性を高めている。検索自体がキラー的で、

今後の課題は広告メディアとしてのフリークエンシーと精度になってくるだろう。

画像検索と着うた検索などが大半のクエリ数を稼いでいる現状でそうした検索結果に

広告を掲載している法務的なリスク、一ユーザーあたりの広告効果などが今後の課題、

自社でサービスを開発し離反するメディアも今後でできそう。


6.キャリアレップ勢力(予想)

【メディア】

各キャリア(i-mode EZweb vodaのみで新規参入組みは多分入らない)

【特徴】

オフィシャル検索サービスの検索連動広告。

公式メニュー掲載順位商品とあわせて今後巨大なマーケットを作っていく気がする。

着うたフル以降にキラーコンテンツが登場しなかった場合は導入される感が強い。